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人と人をつなぎ、文化を発信。ブックカフェ・ドーナツ屋・ギャラリーなど、子どもから大人まで自由に入り混じる公園のような場所「文化公園 目地」@長野県・辰野町

公開日:2026/04/03

ドーナツ屋であり、ブックカフェであり、ギャラリーであり、町の案内所でもある——。
伊那谷の最北端にある辰野町、「トビチ商店街」の一角に佇む「文化公園 目地(ぶんかこうえん めじ)」は、かつてキッチンカーを営んでいた高木しず花さんが、「人が集まる場所をつくりたい」という想いを胸に辰野町へ移住し、扉を開きました。

須坂市出身の高木さん。2023年4月、北信エリアで「キツツキドーナツ」としてマルシェ出店をスタートし、同年6月にはキッチンカーでの移動販売を開始しました。実店舗を思い描くようになった頃、魅力的な場所を探す中で出合ったのが、辰野町の「トビチ商店街」。地域おこし協力隊の話も重なり、ギャラリーや本屋といった文化を発信する拠点づくりとカフェを掛け合わせる形で、「文化公園 目地」は誕生しました。

さまざまな人が訪れる「文化公園 目地」。

かつて文具店だった建物を改装した店内。1階はカフェスペース。
店名は、タイルの隙間を埋める“目地”に由来し、「人と人をタイルに見立て、その間をつなぐ存在でありたい」という高木さんの想いが込められています。点在する商店が緩やかにつながる「トビチ商店街」の中で、その“飛び地”をそっと埋めるように、街を訪れる人と店とを結ぶ案内所の役割も担っています。

地下はギャラリー兼ブックスペース。ディスプレイには、美容院の椅子や、食材を干すザルを本棚として活用するなど、高木さんのセンスが光る空間づくりが印象的です。これらの家具や道具は、辰野町が取り組む空き家事業の片付けで出てきたものからセレクトしているそう。
高木さんが選んだ本を読むもよし、自分の本を持ち込むもよし。ギャラリースペースとしても活用されており、音楽ライブやトークイベントも開催されています。「『こういうのやりたいんだけど、できる?』と気軽に声をかけてもらえれば、だいたいできます」という頼もしい一言が、この場所の懐の深さを物語っています。
陶芸を学んでいた経験を活かし、毎週土曜には「土偶作り倶楽部」も開催。また、かつての文具店「桂林堂」のように、今後は文房具の販売も予定しています。

「キツツキドーナツ」で提供するドーナツには、スペルト小麦の全粒粉を使用。湯種製法ならではの、もちっ、むぎゅっとした食感が特徴です。粉の味わいを生かすため、生地には乳製品、卵は使っていません。

写真手前の「ミルキー」(300円)は、高木さんいわく“保育園の味”。「須坂の保育園で出ていた味なんです!」と、笑顔で話してくれました。ひと口頬張ると、どこか懐かしい、スキムミルクと砂糖の優しい甘さが広がります。

このほか、「おさとう」(280円)、「シナモン」(300円)、「きなこ」(300円)、「クリームチーズ」(360円)を定番に、季節限定のフレーバーもラインナップ。焼き菓子やドリンクも充実しています。

「おやつを食べている時間って、すごく平和ですよね。そこでプンプン怒っている人って、あんまりいないじゃないですか。そんな中でもドーナツは、おやつとしての“ちょうどよさ”が魅力だと思うんです。少し大げさかもしれませんが、私の中では“平和の象徴”のイメージがあります」。
立ったままでもさっと食べられる手軽さ、誰もが思い浮かべる丸い形。その小さな輪が、人と人を緩やかにつなげてくれます。

町の大人が小学生にジュースをおごるチケット「イッツ・オン・ミー」の仕組みも、この場所を象徴する風景のひとつ。宿題や読書をしながら過ごせる、学校でも家でもないサードプレイスとして、子どもたちが辰野町での思い出を重ね、地域を好きになってくれたら——そんな願いが込められています。

また、ここをコワーキングスペースとして利用する、自由な働き方をする人たちの姿に触れることで、多様な生き方があると知ってほしいという思いも。「子どもたちにこそ、“いろんな大人”に出会ってほしい」。その思いが形になったように、ここは多世代が自然に入り混じる、まさに“公園”のような場所です。

「長く過ごしてもらうことで生まれる出会いや会話を大切にしているので、時間制限や利用料は設けていません。ひとりでゆっくり過ごすのも、いろんな人と関わるのもよし。ぜひ、自由に過ごしてください」。
甘い香りと文化が溶け合う空間は、“理想の居場所”とは何かをそっと問いかけてくれます。


※この記事は「長野Komachi2026年春号」(2026年3月25日発売)に掲載された内容を、再編集したものです。通信販売はこちら

長野県の情報サイトWeb Komachi


文化公園 目地
(ぶんかこうえん めじ)
●住所
長野県上伊那郡辰野町辰野1723-18
●電話
なし
●営業時間
8時30分~18時
●定休日
不定休 ※Instagramを確認
●席数
1階14席、地下16席
●駐車場
店舗向かいに2台、ほかトビチ商店街第一、第二駐車場を利用
●Instagram
https://www.instagram.com/meji_honten/

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