「シンプルの先に旨さの本質が見える元祖の郷土食」（鳥忠食堂／佐久市）食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！

信州ラーメン界のカリスマであり美食家としても名を馳せる塚田兼司が愛して止まない料理を毎月紹介。
今回は、佐久を代表する鶏料理「むしり」を生み、地域に深く根ざした人気の老舗食堂が登場！

信州・佐久の臼田エリアには「むしり」と呼ばれる郷土食が存在します。
今回紹介するのは、昭和24年創業、そのむしり発祥の店「鳥忠食堂」さんです！
鳥忠食堂は、初代店主の山崎忠茂氏が、近所の養鶏家より鶏3羽と焼酎を一升をもらい受けて始めた食堂で、現在は3代目の敦雄氏が暖簾を守っています。
むしりは、宴会料理として提供されていた鶏の素揚げを客がむしって食べる様子を見て、初代が命名したものだそう。
その鶏の旨さたるや！ひと口目から度肝を抜かれます。
パリパリに揚がった皮目を噛んだ瞬間、灼熱なる肉の旨味が口内にほとばしります。ハフハフする幸せ感！噛めば噛むほどに味がつのる鶏感！ビールが横にあったら最強なるマリアージュで、幸福感が押し寄せます！
無心でむしゃぶりついた後には、唇と指先にはコラーゲンのしっとり感が残り、鶏の余韻をじっくりと感じさせてくれるのです。
さらに驚くのは、味付けは塩胡椒のみ！あとは寝かせる時間と温度の調整だけで仕込んでいるんだそう。
貴女も元祖むしりの真髄に魅了されること間違いナシ♪

塚田’sポイント
ほかにも「鶏もつ（もつ煮）」など、鶏にちなんだ料理がたくさんあるのですが、圧倒的な人気は「ささみかつ」。
やわらかジューシーを味わってください！むしりもささみかつも、単品でも定食でもいただけますよ♪

鳥忠食堂（トリチュウショクドウ）
昭和初期に鶏肉卸を創業、ほどなくして食堂を開店以来、世代を超え愛される人気の食堂。
鶏肉に精通し、名物「むしり」の考案や滋味深いスープと鶏チャーシューのラーメンなどを提供。
地元のみならず、県外からもその味を求めて客が訪れる。

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https://www.deli-koma.com/1000567.html

食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！
月刊Komachiにて連載中。
県内外に数多くの人気ラーメン店を展開する「ボンドオブハーツ」グループの代表。
全国各地のおいしいものを食べ歩き、有名シェフや美食評論家との交流も深い。
信州のおいしいを発掘･発見するべく、止まらない食欲をエネルギーに、食べ歩きの日々は続く…。