ぶどう物語
須坂のぶどう栽培は、明治19年に勝山仲兵衛が高畑の地にぶどうの苗を植えたことから始まりました。昼夜の寒暖差が大きく、雨が少なく、水はけの良い土壌。この恵まれた環境が、須坂をぶどう栽培の適地とし、今日の発展の礎を築いたのです。
明治22年から昭和初期にかけてはワイン醸造も行われ、須坂産ぶどうの名を広めるきっかけとなりました。大正7年には、製糸工場で働く女性たちへ農家がぶどうを直接販売するようになり、これが現在の「直売所」の原型に。この試みが、地域に新たな活気をもたらしました。
昭和60年代に入ると、「ぶどう狩り」と「直売所」を組み合わせた観光型農業が始まり、県内外から多くの人々が訪れるようになります。そして現代。須坂市と研究機関が連携し、「ナガノパープル」や「クイーンルージュ®」、「シャインマスカット」といった新品種を積極的に導入。皮ごと食べられる種なしぶどうは瞬く間に人気を博し、須坂は県内最古の観光果樹園地帯として、今も発展を続けています。ひとつの苗から始まった物語は、百年以上の時を経て、地域の誇りとして多くの人々に愛され続けているのです。
そんな百年以上にわたる須坂のぶどう栽培の歴史と情熱は、今もなお地域の農園に受け継がれています。今回は、その中でも特に個性あふれる5つの農園を訪ね、それぞれの魅力に迫ります。
INDEX
◆①ヤマホンそりまち農園
◆②やまとフルーツ農園
◆③丸長果樹園
◆④マルロク返町遊覧園
◆⑤岡沢果樹園
①ヤマホンそりまち農園
ふかふかの土から生まれる!ワクワクいっぱい「ヤマホンそりまち農園」
明治25年創業の老舗「ヤマホンそりまち農園」は、現在七代目が営む果樹園。有機質肥料と酵素栽培でふかふかの土を育み、「土がうまいと、ブドウがうまい」をモットーに減農薬で安心な果物づくりを続けています。ナガノパープルやシャインマスカットなどの王道から、富士の輝やマイハートなど希少品種まで約25種を栽培。ぶどう狩り体験(一部除く)もでき、畑に足を踏み入れると土の柔らかさや吹き抜ける風の心地よさ、視界いっぱいに広がるぶどう棚の風景が楽しめます。



(ヤマホンソリマチノウエン)
●住所
長野県須坂市日滝4304-2
●電話番号
026-246-8550
●営業時間
9時~17時
●定休日
水曜
●席数
4名掛けテーブル8席
●駐車場
15台
●アクセス
上信越道小布施スマートインターチェンジから車で5分
上信越道須坂市長野東インターチェンジから車で15分
●お支払い方法
クレジット、コード決済対応
●HP
https://yamahon-sorimachi-noen.com/
●SNS
https://www.instagram.com/yamahon7733/
②やまとフルーツ農園
笑顔と愛情が実る農園 やまとフルーツでぶどう三昧!
1969年創業の「やまとフルーツ農園」は、「愛情こめたぶどう栽培」をモットーに、エコファーマーとして有機肥料栽培に取り組んでいる農園です。アットホームな雰囲気が魅力で、親子二世代で通う常連さんも多いんだとか。ナガノパープルやクイーンルージュなど18種類のぶどうを栽培していて、色々なぶどうの味を楽しみたい人におすすめ!笑顔で気持ちの良い接客で、訪れる人を温かく迎えてくれます。



(ヤマトフルーツノウエン)
●住所
長野県須坂市日滝4295-1
●電話番号
026-246-8443、080-5140-8339
●営業時間
9時30分~17時30分
●定休日
ぶどうシーズンは無休
●駐車場
10台
●アクセス
上信越道小布施スマートインターチェンジから車で5分
上信越道須坂市長野東インターチェンジから車で15分
●支払い方法
現金のみ
●HP
https://yamato-fruits-nouen.mystrikingly.com
③丸長果樹園
アナログだけど心地いい!「丸長果樹園」のぶどう時間
1930年代から続く「丸長果樹園」では、シャインマスカットやナガノパープルに加え、オリジナル品種の「シナノスマイル」など20種類以上を栽培。そのスタイルは「無理をしない自然体」。システム化されていないアナログな直売所ながら、そこには生産者の顔が見える安心感と、何度も通いたくなる信頼関係があります。ぶどう品種の豊富な組み合わせが魅力で、こだわりの贈答品に対応してくれるのも嬉しいポイント。


(マルチョウカジュエン)
●住所
須坂市高畑町1238-3
●電話番号
026-246-8514
●営業時間
9時30分~16時30分
●定休日
不定期休み
●駐車場
15台
●アクセス
上信越道小布施スマートインターチェンジから車で5分
上信越道須坂市長野東インターチェンジから車で15分
●支払い方法
現金のみ
④マルロク返町遊覧園
10種以上のぶどうと卓球でワクワク!高畑で農園体験
1930年創立で95年の歴史を持つ四代目の農園です。「高畑のぶどうは甘さがひと味違います」と語る通り、その甘さと種類の豊富さ、鮮度が自慢。一つひとつの作業を丁寧に、手間をかけて行うことが美味しさの秘訣なんだそう。スタッフさんは明るい雰囲気で、最盛期には店頭に10種類以上のぶどうが並ぶんだとか。当日採れたてのぶどうをその日のうちに発送するサービスも人気です。なんと、園内では卓球も楽しめるのもユニーク!



(マルロクソリマチユウランエン)
●住所
長野県須坂市高畑町1838-2
●電話番号
026-246-4619
●営業時間
9時~17時頃
●定休日
不定休(9月は基本的に休みなく営業)
●駐車場
20台
●アクセス
上信越道小布施スマートインターチェンジから車で5分
上信越道須坂市長野東インターチェンジから車で15分
●支払い方法
現金、カード、各種電子マネー対応
●HP
https://blog.suzaka.jp/06sorimachi
https://www.instagram.com/maru.roku6/
⑤岡沢果樹園
4代続く岡沢果樹園で味わう、ぶどう本来の美味しさ
1890年頃の創業から4代にわたり続く岡沢果樹園。除草剤を極力使わず、実の量を制限することで、ぶどう本来の味を引き出しているのが特徴です。ナガノパープルをはじめ、10品種のぶどう狩りが可能。「自分で収穫したぶどうは、美味しさが倍増します」と園主。味わい深い築60年の店舗で、親しみやすいおもてなしも好評!9月中旬からはりんご狩りも楽しめます。



(オカザワカジュエン)
●住所
長野県須坂市高畑町1261
●電話番号
026-248-2984
●営業時間
9時~18時
●定休日
なし
●駐車場
20台
●アクセス
上信越道小布施スマートインターチェンジから車で5分
上信越道須坂市長野東インターチェンジから車で20分
●支払い方法
現金、カード、PayPay、d払い、他各種キャッシュレス決済対応
高畑地区で主に栽培しているぶどうの品種はこちら。

あなたに合う農園を
今回ご紹介した5つの農園は、それぞれが歴史や栽培方法、品種、そして雰囲気まで個性豊かです。
レア品種を探したい、畑の心地よさを体感したいなら「ヤマホンそりまち農園」。二世代で通いたくなるような温かい接客なら「やまとフルーツ農園」。昔ながらの対面販売で安心して購入したいなら「丸長果樹園」。明るい雰囲気と抜群の甘さを楽しみたいなら「マルロク返町遊覧園」。減農薬栽培のぶどうを自分で収穫する特別な体験がしたいなら「岡沢果樹園」。
ぜひ、自分だけのお気に入り農園を見つけに、須坂市高畑地区へ遊びに行ってみてください。
掲載の情報は公開日現在のものです。最新の情報は施設・店舗・主催者にご確認ください。