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【長野県そば特集】こわだりの味を”今”に引き継ぐ老舗の物語。~信州そばの魅力~

公開日:2025/12/22

全国でもトップクラスでそば屋が多い長野県。そばの歴史も古く、現在まで続く老舗も数多く存在します。創業当時からの味を守り続ける背景には、どんな物語があったのでしょう。老舗店主にお話をうかがいました。


〈Index〉
寿命そば 越前屋
(上松町/創業401年)
創業文政十年 門前そば 藤木庵
 (長野市/創業198年)
信州城下そばと天ぷら やまとう
(松本市/創業150年以上)


創業401年/上松町
「寿命そば 越前屋」

景勝地「寝覚の床」近くに建つ「寿命そば 越前屋」。

店主 横山 久美子さん
長い歴史の中で数々の著名人が訪れた同店へ、十五代目の妻として入り、現在は女将として店を切り盛りしています。そば打ちは十六代目が担当。県外のそば店で修業を積み、同店では16年目。

「当店では、長野県産の蕎麦粉を使用しています。昔から受け継がれる白いそばは、蕎麦の実の中心部分の中でも、一番粉と二番粉の間といわれ、上品な甘味と白い色味を持つ一番粉と、香りの高さが特徴の二番粉の両方の良さを兼ね備えています。
打つ際には、暑さや寒さ、湿度によっても蕎麦粉の状態は違いますので、日によって水の量を加減し、均等に水が回るように気を配りながら、しなやかなコシが出るよう仕上げています。
そして、合わせるつゆも、北海道の利尻昆布や鹿児島枕崎から取り寄せる鰹といった、昔ながらの素材にこだわっておりますので、変わらぬ味を感じていただけると思います。
また、お土産にもちょうどいいと人気の「そば寿司」は、自家製の合わせ酢で味付けしたそばを使っております。ぜひ何もつけずにお召し上がりください。合わせ酢のやさしい酸味とほんのりとした甘みは、自家製の玉子焼きやかんぴょうとの相性の良さはもちろん、紅ショウガのピリッとした辛みもアクセントになり、ご好評いただいております」と店主の横山さん。

「盛りそば」(2枚)1,400円
十返舎一九の言葉通り、赤いせいろに映えるのは、創業以来受け継がれるコシのある白いそば。その見た目通り、そばの上品な香りが鼻を抜け、薬味のほどよいアクセントも美味。

「越前屋」の記事をみっと見る…

寿命そば 越前屋
(じゅようそば えちぜんや)

●住所 長野県木曽郡上松町小川2379
●電話 0264-52-2081
●営業時間 11:00~16:00頃(そばが終わり次第閉店)
●定休日 木曜 ※ほか不定休あり
●席数 46席 
●駐車場 15台
●HP http://www.echizenya-soba.jp/


創業198年/長野市
「創業文政十年 門前そば 藤木庵」

善光寺門前にある「創業文政十年 門前そば 藤木庵」。

店主 藤澤 浩一さん
大学卒業後、銀行員として働いていたが、1999年に家業を継ぎ、八代目に。勘や経験に頼らず、数値化したそば打ちの技術を学ぶため、片倉康雄氏が開いた「一茶庵」に入門し、現在に至る。

「江戸後期。善光寺七池のひとつとされる井戸が敷地内にあり、良い水も手に入ることから、江戸で人気のそばを提供する店をこの地に開きました。参拝客にカツ丼などを振る舞っていた時期もありましたが、七代目からそば専門店として営業しております。私が八代目として店に入って最初に取り組んだのは、地元の良い蕎麦粉でそばを打つこと。そこで出会ったのが蕎麦生産者の石川広之氏です。
当店では、昼夜の気温差が大きく霧が発生しやすい信濃町で石川氏が栽培している「霧下そば」と呼ばれる風味豊かな蕎麦の実を使用しております。蕎麦の実も農産物。良いそばにするためには鮮度が重要。石川氏の元で適切に管理された蕎麦の実を、店の一番涼しい所に置いてある石臼で挽き、翌日ふるいにかけます。少し寝かせることで味が落ち着き、ほんのり甘みを感じる粉となったところでそばを打ちます。収穫した年や使う時期によって気温や湿度も変わるので、挽いた粉を見ながら加水や切り方を変え、毎日同じそばになるよう仕上げております」と店主の藤澤浩一さん。

「ごくらく蕎麦 十一(といち)」1,490円
松代産の長芋を使ったとろろつゆ、くるみつゆ、定番のそばつゆと3つの味でそばが楽しめる七代目が考案した女性に人気のセット。そばは蕎麦粉91%の十一(といち)そば。

「藤木庵」の記事をもっと見る…

創業文政十年 門前そば 藤木庵
(ふじきあん)

●住所 長野県長野市大門町67
●電話 026-232-2531
●営業時間 11:00~15:00(14:30LO)
●定休日 火・木曜(祝日・繁忙期は営業)
●席数 58席 
●駐車場 1台
●HP https://fujikian.co.jp/


創業150年以上/松本市
「信州城下そばと天ぷら やまとう」

松本城から徒歩約2分。2019年にリニューアルした「信州城下そばと天ぷら やまとう」。

甘皮は入れず、丁寧に石臼で挽いた蕎麦粉を使用。上品かつそば本来の香りを楽しめます。 

店主 平林裕一さん
1975年、松本市生まれ。五代目店主。先代が営んでいた食堂を手伝うなかで、本格手打ちそばを学びたいと一念発起。横浜の名店にて経験を積み、1996年にそば専門店となり現在に至る。

当店の歴史は現存の資料などを辿ると、高曽祖父の時代にさかのぼります。今から約150年前の創業時は松本城のお堀で鯉の養殖をしていたようで、約80年後に川魚店へ。その後、私の父がその建物の2階食堂をはじめたという流れがありました。
そして、私の代でそば店へと転身したわけですが、そこには「国宝松本城のお膝下、信州松本の城下町を訪れた方々に、本格的なそばを味わってほしい」という想いがありました。そのため、職人歴40年以上を誇る永山寛康先生とともに開発を行い、蕎麦粉には八ヶ岳山麓と国産蕎麦粉を厳選し、香りが飛ばないよう丁寧に石臼挽き。それを毎朝打つという、挽きたて、打ちたて、茹でたての極上の信州そばをご提供しています。
また、二八そばはもちろんですが、更科粉と旬の食材を合わせて打つ変わりそばは、彩りはもちろん、春は桜、夏はレモンなど、季節が感じられると評判です。二八と合わせて味わえる「二種そば」や「色とりどりコース」などもご用意しておりますので、ぜひお楽しみください」と、店主の平林裕一さん。

「小天丼とお蕎麦のセット」1,550円 ※ダッタンそば茶プリン付き。
麺量130gの小さいそばと小天丼、ダッタンそば茶プリンがセットに。そばは温かいものと冷たいものから選べ、小天丼は海老やカボチャ、ナスなどの天ぷらが彩る。通常のざるそばの麺量は180g。

「やまとう」の記事をもっと見る….

信州城下そばと天ぷら やまとう   
●住所 長野県松本市開智1-1-27
●電話番号 0263-32-3733
●営業時間 11:00~16:00
●定休日 木曜
●席数 41席
●駐車場 3台
●HP https://www.soba-yamatou.com/


※この記事は「信州のうまいそば」(2025年4月27日発売)に掲載されたものです。通信販売はこちら


長野県の情報サイト Web Komachi



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